在宅ヘルパーとして働くためには?

在宅ヘルパーとして働いている人や、在宅ヘルパーを目指している人へ、在宅ヘルパーとはどんな仕事なのか紹介していきます。在宅ヘルパーの業務範囲は、厚生労働省では詳細に決められていません。住んでいる自治体で独自のルールがあります。また、在宅ヘルパーは未経験でも転職することが可能な仕事です。働きながら資格を取得することも可能な在宅ヘルパーに転職し、キャリアップを目指しましょう。

「生活援助」と「身体介護」がある

「話し相手になってほしい」、「一緒に散歩にいってほしい」、「郵便物を出してきてほしい」利用者からこのようにいわれ、困った経験はありませんか。在宅ヘルパーの仕事には、「生活援助」と「身体介護」の2種類があります。「生活援助」とは、掃除や洗濯、調理など、日常的な家事を提供するものです。「身体介護」とは、直接利用者の身体に触れるもので、食事や入浴、排せつ、歩行などの介助がこれに含まれます。実は、先に述べた「話し相手になってほしい」など、この2つに該当しないものは、原則、在宅ヘルパーの仕事としては認められていないのです。また、これらのサービスは本人に対してのみ行われるものであって、「家族の分まで食事を作ってほしい」なども介護保険の制度上、認められていません。在宅ヘルパーの仕事範囲を知ることで、どこまで利用者の介護ができるのかがわかります。

中立公平な立場が求められる

介護保険制度は、国の公的な保険制度であるので、在宅ヘルパーは公務員に準じる中立公平な立場にあることも忘れてはいけません。「お世話になっているのだから」と在宅ヘルパーに金品を渡したり、一緒にお茶を飲もうとしたりする利用者の方もいますが、これも断る必要があります。「あの家はいろいろなものをくれるから」と在宅ヘルパーがサービスの仕方を変えるようなことは絶対にあってはならないからです。
また、中立公平な立場という観点から、利用者側からの在宅ヘルパーの指名もできません。訪問介護を毎日利用していれば「AさんはよいがBさんは嫌だ」などの声があがることもあるでしょう。その際には、利用者の声をケアマネージャーや訪問介護の業者に伝えることで、場合によっては、在宅ヘルパーを変えるなどの解決策を考えていくこともできます。また、自治体によって在宅ヘルパーの仕事内容を柔軟に定めている場合もありますので、不満や疑問に思う点は、まず、ケアマネージャーに相談し、細かい内容については行政に確認することもできます。

個々のニーズに応じたケアプランが大切

一方で、散歩に出るのに在宅ヘルパーの「身体介護」が必要な場合や、郵便物を出しにいくなどの外出が困難で「生活援助」が必要な場合もあります。その際に重要となってくるのが、ケアプランと呼ばれるものです。ケアプランとは「生活援助」と「身体介護」の具体的な内容や提供時間について、本人やご家族の要望を基に作成される個別のサービス利用計画書のことです。利用者の心身の状況や、家族の有無、生活環境などから総合的に判断したものが個々に作成されますので、在宅ヘルパーにはケアプランに応じた適切な支援が求められています。